Profile
小久保 隆(Takashi Kokubo)は、日本を代表する環境音楽家・サウンドデザイナー。
1980年代から今日に至るまで、自然と人間の感性を結び直す音の探求を続け、その活動は音楽の枠を超えて国際的に高い評価を受けている。
彼の作品は「音楽」ではなく「環境そのものをデザインするもの」として、聴く人の心に深い余韻を残す。
幼少期より自然音や日常生活の響きに魅了され、若い頃から音や音楽を立体的に表現することに強い関心を持ち続けてきた。
やがて電子楽器や録音技術を駆使して独自のサウンドスケープを生み出し、1980年代にはシンセサイザーを用いた先駆的な作品群を発表。「地球の響きを可視化する音楽家」として注目を浴びた。
代表作には、リスナーの心身を癒やす体験を提案した『イオン・シリーズ』や、都市と自然の調和を描いた『風のオアシス〜森の目覚め〜』などがあり、今日では世界的に再評価が進んでいる。
また、音楽家にとどまらずサウンドデザイナーとしても幅広く活動。 企業のサウンドロゴ、公共空間の音響デザイン、国際博覧会や美術館の展示などに数多くの作品を提供してきた。
中でも、日本の緊急地震速報に用いられる「ウィー・ウィー・ウィー」という警報音は国民的に知られ、社会的なサウンドデザインの象徴ともなっている。
独自に開発した没入感あふれる立体的なサウンド収録用マイクロフォン「サイバーフォニック」を携え、これまでに世界50ヶ国以上を訪れ、癒しの自然音をフィールドレコーディングしてきた。その成果は『地球の詩シリーズ』としてまとめられ、自然と共鳴するリスニング体験を求める多くのファンに支持されている。
これらの録音は、彼の音楽作品やインスタレーションの基盤となり、聴く者を音の大地へと誘う。
2020年には、米国レーベル Light in the Attic よりリリースされたコンピレーション『環境音楽: 日本のアンビエント環境音楽&ニューエイジ音楽 1980-1990(Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990)』に参加。本作はグラミー賞「最優秀歴史的アルバム部門」にノミネートされ、環境音楽が国際的に注目される大きな契機となった。
現在、彼の拠点である「スタジオ・イオン」には、7.1.4 Dolby Atmos システムが導入されており、立体的な音響表現を追求する空間音楽制作の場となっている。
このスタジオから生み出される作品群は、リスナーにまるで音の中に没入するかのような体験をもたらしている。
近年は『Gaiaphilia』『Mother Tree』『JOMON DIVA』など、自然や生命の循環をテーマとしたプロジェクトを展開。
音楽に加え、映像、香り、光を組み合わせた没入型インスタレーションを国内外で発表し、環境音楽を五感で体験できるアートとして提示している。
さらに、自身の経験と思想をまとめた著書『音でデザインする』が講談社(選書メチエ)より出版予定(2026.02.12)であり、環境音楽家としての歩みと理念を広く紹介する一冊となる。
小久保の活動は娯楽の枠を超え、「人間と自然環境をつなぐ哲学」として位置づけられる。音楽・科学・スピリチュアリティを横断しながら、未来に向けて「聴覚による環境芸術」を切り拓き続ける彼の歩みは、今も進化を続けている。
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「デジタル・バッハ」(with⽥崎和隆)(キングレコード)
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作曲家・サウンドアーティストの小久保隆は、自然音と電子音を融合させた独自の音響世界で知られ、空間と時間を“聴く”芸術を探求してきました。
イタリアの作曲家・トロンボーン奏者アンドレア・エスペルティは、クラシックからアンビエントまでを自在に横断し、豊かな倍音と瞑想的な響きで国際的に評価を受けています。
二人のコラボレーションは、東洋と西洋、自然とテクノロジーが交差する音の対話として展開。耳を通じて心を解き放つ“音のリトリート”ともいえる体験を生み出しています。
作曲家・サウンドアーティストの小久保隆は、自然音と電子音を融合させ、聴覚空間に新たな次元を切り開いてきた音の探求者です。
ピアニスト・盛岡夕美子は、繊細なタッチと豊かな情感表現で知られ、クラシックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ちます。
二人の共演は、音の造形と感性の共鳴が織りなす“静寂と響きの対話”。自然や時間、記憶といった普遍的なテーマを音楽に昇華し、聴く者の心に深い余韻を残します。
静と動、理と情の調和から生まれるその音世界は、まさに「聴く芸術」と呼ぶにふさわしいものです。
作曲家・サウンドアーティストの小久保隆は、自然とテクノロジーの融合をテーマに、イマーシブな音響空間を創出してきた先駆者です。音響エンジニア・アーティストの楯直己は、卓越した録音技術と繊細な音感覚で知られ、音の持つ物理的・心理的側面を探求し続けています。両者のコラボレーションは、音を「デザイン」するのではなく、「場」として体験させる試みです。精緻な技術と深い感性が交差することで、聴く者を包み込む新たな音響体験――“空間そのものが鳴る”音の芸術――を生み出しています。
JOMON DIVAは、縄文の精神と現代のテクノロジーを融合させたサウンド・アート・プロジェクトです。太古の祈り、自然との共生、生命の循環といった縄文的感性を現代の音響表現として再構築し、音楽を超えた“聴く体験”を創出します。イマーシブ音響を活用した立体的な音空間の中で、原始のリズムと電子音が共鳴し、人間の内なる記憶と未来の感性を呼び覚ます――。JOMON DIVA.は、**「太古が奏でる神秘の音」**を現代に蘇らせる、祈りと再生のアートプロジェクトです。
2チャンネル録音では上下や前後といった立体的な音の情報を捉えきれないことに不満を抱いた小久保隆氏は、1980年代前半に人間の聴覚環境を再現し、より自然な音場を記録できる独自のバイノーラル録音機「サイバーフォニック」(愛称「サイバーくん」)を開発しました。彼はこの“相棒”とともに世界約50カ国を旅し、「ナチュラル・クワイエット」(人工音を含まない純粋な自然の音)の収録をライフワークとして続けました。太古から響く大地の息づかいや風の声を、そのままの形で残すことを目指した小久保氏の探求は、単なる録音技術を超え、自然と人間の共鳴を聴き取る芸術的試みとして今も高く評価されています。
Cyberphonic Comfort Channel
AMANEは、空間全体の音情報を三次元的に収録できるアンビソニック・マイクロフォンです。従来のステレオ録音では再現できなかった前後・上下・奥行きの音場を忠実に記録し、まるでその場にいるかのような没入感をもたらします。16基の高精度マイクユニットを球体配置し、音の方向・距離・反射をリアルタイムに解析。自然音、環境音、音楽制作、映像収録など、あらゆるシーンで“空間そのもの”を収めることができます。「AMANE」という名は、“音の波が広がる”という意味を込めて名付けられました。その響きは、まさに太古が奏でる神秘の音を現代に蘇らせる、次世代の録音体験です。
Welcome to Immersive-audio world
サヌカイトは、香川県(旧讃岐地方)で産出する、極めて稀少で特異な性質を持つ石です。約1400万年前、讃岐地方の火山活動によって流れ出た溶岩が、地中で長い年月にわたり強い圧力を受けることで形成されました。最大の特徴は、石でありながら金属のように澄んだ高音を発すること。その独特の響きは、生成過程で加わった圧力構造によるものです。加工を施すことで打楽器として演奏が可能となり、叩く位置や強さによって多彩な音色を生み出します。定まった音階を持たない自由な響きは、1400万年という時の流れと大地の記憶を宿し、聴く人に深い静寂と神秘の感覚をもたらします。
